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プレスリリース

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運賃向上へ交渉進める(三洋陸送)【物流ニッポン】

2024-02-20
カテゴリ:IT活用,働き方改革,時給制
歩合給から時間給に
物流ニッポン
 中田商事のグループ企業、三洋陸送は新年度に向け、荷主との運賃交渉など準備を進めている。完成車輸送のキャリアカーも中田商事と同じカラーリングに変更し、グループの一体感を高めている(星野誠)
 三洋陸送は2023年7月、中田商事の完全子会社となった。完成車輸送と自動車部品輸送が主力で、「2024年問題」に対応するため、中田商事と同じ時間給制度の導入を進めてきた。三洋陸送は2月決算のため、3月1日が年度のスタートとなり、新体制に向けた準備は最終段階に入っている。
 中田商事は「デジタルタコグラフを全車両に導入し、昨年11月から労働時間データの収集を行ってきた結果、大きな問題も見つかった。1か月の残業時間が100時間を超える車両が2台あり、早急な対策が必要になった。荷主と交渉し、増車か減便か、どちらかを了承してほしいと要請している」と明かす。
 運賃交渉も同時に進めている。完成車輸送の大手企業が打ち出した運賃2割アップを基準として提示したうえで、最低でも1割上げてほしいと交渉している。「同じ1割アップでも、運賃本体8%、燃料サーチャージ2%に分けてもらうのが理想。古いキャリアカーが多かったため、アップ分は車両代替えなどの設備投資に充当したい」
 時間給導入では、全社員の給与シミュレーションを行い、個別データを提示し納得してもらった。キャリアカーは積載台数などによって労働時間と給与が変動するためバランスを取る必要があったが、歩合給を時間給に変えたことで改善された。
 中田氏は「歩合給では、トレーラで複数台を1日に2回、3回と運ぶ車両は稼いでいたが、1、2台を遠方で運ぶ車両は効率が悪く、輸入高級車などを積んで特別料金をもらってもコストが合わなかった。時間給導入で全体最適を図ることができた」と強調する。
 1月上旬には、従来のブルーを中田商事のトラックと同じライトグリーンに塗り替え、ヘッド部にグループのロゴマークを入れたキャリアカーの1号車が完成。「ユニホームも新調し、従業員も喜んでいる。2月中旬からGマーク(安全性優良事業所認定)など、各種認証の取得準備も進めたい」と意気込む。